2012.12.02

高支持力埋込み杭の根固め部の品質確保への取組み(基礎工2012)

細田光美(ジャパンパイル)・今広人(ジャパンパイル)

■掲載誌:基礎工11月号, pp.27-34
■発行所:総合土木研究所
■発 行:2012/11

 近年,既製コンクリート杭の建築市場では高支持力埋込み杭の採用が盛んである。一般社団法人コンクリート建設技術協会(COPITA)の資料によれば,平成16年度に集計データとして現れた高支持力埋込み杭はそのシェアを伸ばし,平成23年度には施工実績比率として初めて60%を超過するに至っているのが注目される。
 この増勢傾向の理由としては,杭の鉛直支持力性能の向上によるトータル的なコストメリットの観点から,採用が増加しているものと考えられる。
 高支持力埋込み杭の支持力増大は先端支持力の増大に依存しており,杭先端の根固めの出来栄えが1つの鍵となる。したがって,この「根固め部」は,基礎杭を構成する部位として非常に重要な役割を担っている。
 本稿では,高支持力埋込み杭の根固め部に焦点を当て,特に根固め部のソイルセメント強度を中心に着目した。ここでは,その品質確保への取り組み事例について紹介するとともに,現段階での課題を抽出し,主要な論点と思われる関連事項などを記述する。