2015.10.20

鋼管の端部定着力を変化させた場所打ち鋼管コンクリート杭の曲げ試験(AIJ2015)

本間裕介(ジャパンパイル)、石川一真(ジャパンパイル)、菅一雅(ジャパンパイル) 岸田慎司(芝浦工業大学)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(関東) 構造Ⅰ, pp.439-440
■発行所:日本建築学会
■発行:2015/9

場所打ち鋼管コンクリート杭とは、場所打ちコンクリート杭の上部を鋼
管巻きにした杭であり、地震時に大きな曲げモーメントやせん断力が作
用する部分に鋼管を使用することで耐震性を高めた杭である。
従来の場所打ち鋼管コンクリート杭には、鋼管とコンクリートとの一
体性を高めるために、内面全体にスパイラル状のリブの付いた鋼管や特
別な装置を使って端部に溶接成形突起を設けた鋼管などが用いられてお
り、汎用性に欠ける面があった。これに対して、筆者らは平鋼を丸め加
工したもの(以下、突起リング)を隅肉溶接で一般の鋼管に取り付ける
ことにより汎用性を高めた場所打ち鋼管コンクリート杭の開発を行ってきた(図1)。本杭のように、鋼管内面に突起を設ける仕様の場合、突起の量により鋼管とコンクリートとの一体性が異なり、鋼管コンクリート部の曲げ耐力も変化するものと考えられる。
そこで、鋼管端部の突起リングの量、すなわち鋼管とコンクリートとの定着力を変化させた試験体を用いて曲げ試験を行い、鋼管端部の定着力が鋼管コンクリート部の曲げ耐力に与える影響を実験的に検証したので報告する。

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