2012.10.20

層状地盤に支持される杭先端の鉛直支持性能 その1:既往実験結果に基づく検討(AIJ2012)

堀井良浩(大成建設)、長尾俊昌(大成建設)、山崎雅弘(岡山理科大学)、小椋仁志(ジャパンパイル)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(東海) 構造Ⅰ, pp.415-416
■発行所:日本建築学会
■発行:2012/9

地盤の地層構成が複雑である我が国では,軟弱地盤上の建築物を支える杭の支持地盤が砂質土層と粘性土層の互層で構成されることが多い。これに関連して建築基礎構造設計指針では,支持層が薄い場合の設計に関する基本的な考え方を示している。すなわち,所定の支持力を確保し,かつ有害な沈下が生じないことを確認すること,および先端支持力の検討において,図1 に示すような直接基礎の方法(2 層地盤の支持力式)の準用が可能であることを示している。ただし,本式における荷重分散角θと下部層の極限支持力は規定されていないため,図2 に示す鉄道分野の算定方法等を参考に,設計者が工学的に判断しているものと推察される。しかしながら,本式の適用性や建築物の沈下予測で重要な荷重沈下関係について,実験データに基づいて検討した事例は数少ないと思われる。本論文では,設計上の参考資料を得ることを目的として,その1において既往の実験結果を収集し,既往式との比較検討を行う。その2では非線形FEM 解析を行い,その1で得られた知見を評価可能であるか確認する。いずれも,N 値が大きくてやや薄い砂層等(中間層)を杭の支持層とし,かつ下部層が粘性土層となる場合を検討対象とする。

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