2017.08.01

単純梁方式曲げ試験によるSC 杭の中空部に中詰めした効果の検討 SC 杭の変形性能向上に関する研究(1)(AIJ構造系論文集2017)

田中 佑二郎(ジャパンパイル)、関口 徹(千葉大学)、中井 伸(千葉大学)、中井正一(千葉大学)

■掲載誌:日本建築学会構造系論文集 Vol.82, No.736, pp.823-829
■発行所:日本建築学会
■発行:2017/6

杭基礎構造において、大地震時を想定した二次設計を求められることが多くなってきている。杭基礎構造に対しては、二次設計を行う法的な義務がないことから十分な研究が行われていない。既製コンクリート杭に関しては、JISの認証および日本建築センター等の杭材評定の取得のために、曲げ試験等が日常的に行われているものの、試験のおもな目的が強度確認であるため、二次設計に必要となる変形性能を評価したデータの蓄積が十分でない。
近年になって、既往の曲げ試験データの収集と分析による既製コンクリート杭の強度特性および変形性能の評価や片持ち梁方式による大変形の曲げせん断試験が行われている。また、PHC杭の中空部にコンクリートを中詰めすることで曲げ変形性能が向上するという報告8),9)があり、SC杭およびPRC杭においては、杭の中空部に中詰めを行った試験体も一部含まれている。しかし、試験体の多くは外径400 mm以下の小径であること、中詰め材に使用されている材料の強度が限られていることなどが課題としてある。
SC杭は、鋼管の中空部にコンクリートを投入し、遠心成形によって製造される基礎構造部材である。既製コンクリート杭の中でもSC杭は、コンクリートが鋼管の局部座屈を抑え、鋼管がコンクリートを拘束することから、曲げ強度が高く、曲げ変形性能にも優れていると考えられている。杭基礎構造としてSC杭は、曲げ強度が必要とされる杭頭付近(上杭)に用いられることが多いが、実際に大変形まで載荷し、曲げ変形性能について検討した事例は少ない。
本研究ではSC杭を対象とし、①載荷方式、②鋼管厚さ、③軸力、④中詰め材、の各パラメータが曲げ変形性能に与える影響を確認することを目的として、単純梁方式による曲げ試験を行った。

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