2007.10.22

杭許容水平変位を緩和した橋脚鋼管設計法とその実証的検証(JGS2004)

冨澤幸一(北海道開発土木研究所)・小嶋英治(ジオトップ)

■掲載誌:第49回地盤工学シンポジウム, 157-164
■発行所:地盤工学会
■発行:2004/11

 橋梁設計法において、設計施工法の多様化に伴うライフサイクルコスト(LCC)や建設コスト競争力向上の配慮から性能照査型基準が導入された。基礎構造物の設計においても、性能規定化に基づく建設コスト縮減を目的に、平成14年3月に改訂された道路橋示方書IV下部構造編(以下道示)では、一定の条件下において水平変位制限を緩和する杭基礎設計法の規定が追記された。
 そのため、上記規定に基づく、杭許容水平変位量の考え方および北海道開発局で新たに要領化した杭許容水平変位量を杭径4%まで緩和する橋脚鋼管杭設計の運用規定を整理した。
 本報では、杭許容水平変位量の制限を緩和した設計法を以下の手順で検討した。
 (1)設計法の基本的考え方の整理
 (2)設計運用規定の策定
 (3)実杭の水平載荷試験
 (4)試験値の弾性解析および弾塑性解析
 (5)2次元弾塑性FEM解析シミュヒーション
 許容水平変位量を緩和した杭設計法は、あくまでも杭に過度の残留変形が残らない範囲の地盤反力が適用範囲となる。そのため、設計法の妥当性は、設定した設計地盤反力を実杭の水平載荷試験から得られた実地盤反力と対比し検証した。水平載荷試験の地盤反力特性の考察は、変位レベルに応じた弾性解析および弾塑性解析、さらに2次元弾塑性FEM解析シミュレーションによった。

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