2007.10.22

鉛直および水平方向の動的・静的杭載荷試験解析プログラムの開発(AIJ2005)

松本樹典(金沢大学)・Kitiyodom Pastsakorn(金沢大学)・小嶋英治(ジオトップ)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)  構造BーI, 497-498
■発行所:日本建築学会
■発行:2005/09

 杭基礎構造物の設計を性能規定(照査)型設計に移行するには、構造物の変形を追える設計手法が必要である。そのためには、まず構造物の要素となる単杭の鉛直荷重−沈下関係、水平荷重−水平変位関係を精度良く把握する必要がある。地盤調査データから解析によって、これらを求めることも可能ではあるが、もっとも信頼性が高いのは、実際に杭の載荷試験を実施することであろう。また、1現場における杭の載荷試験数を増やすことで、杭の抵抗特性のばらつきを把握できるため、基礎構造物設計における安全率を合理的に低下できる可能性も考えられる。さらに、施工された杭の品質確認のためにも、載荷試験を実施することは、有効な手段である。
 しかしながら、費用と時間の問題から、従来の静的載荷試験を数多く実施することは実際上難しい。「杭の鉛直載荷試験方法・同解説」では、動的載荷試験方法(急速載荷試験および衝撃載荷試験)が、新たな載荷試験方法として導入されている。動的試験方法は、静的載荷試験に比べて、試験時間が短く、また試験費用も比較的安価なため、1現場で数多くの杭に実施することが可能である。今後、杭の水平載荷に対しても、動的載荷試験を適用する可能性を検討することも必要であろう。
 上記のことを鑑み、著者らは、鉛直および水平方向の動的・静的杭載荷試験を解析できるプログラムを開発している。本稿では、そのプログラムの概要を報告する。

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