2010.06.29

鋼管杭の動的水平載荷試験法(その4−実杭の試験検証その3)(JGS2009)

熊谷裕道(ジャパンパイル)・小嶋英治(ジャパンパイル)・松本樹典(金沢大学)・冨澤幸一(寒地土木研究所)

■掲載誌:第44 回地盤工学研究発表会(横浜), 1201-1202
■発行所:地盤工学会
■発行:2009


杭基礎の性能規定化に伴い,地盤性状を忠実に反映した杭設計を実施していくことが要求されている.しかし,現状の設計では地盤反力係数や杭水平方向変位量は,地盤調査結果から推定するケースがほとんどであり,その結果が実証されることは少ない.杭の実挙動を把握するには載荷試験の実施がより有効である.このような背景から,杭の性能を検証する方法として実現場で活用される載荷試験において,コストの軽減化・試験時間の短縮化が求められている.この考えに基づいて,杭の鉛直方向における載荷試験では動的手法が導入されている.しかしながら,水平方向における載荷試験では動的手法が導入されるには至っていない.そこで,筆者らは静的水平載荷試験に代わる新しい簡便な杭載荷試験法として,杭頭に水平方向の動的外力を与えて,それにより得られる動的データを用いて波形マッチング解析を実施することにより,杭の水平抵抗挙動を推定する動的水平載荷試験システムを開発してきた2)-5).システムの妥当性を検証するには,より多くの検証事例が必要である.筆者らは今までに5 箇所の地盤サイトで実大鋼管杭の載荷試験を実施してきた2) -5).本論では既報2) -4)に続き,新たな現場で実大鋼管杭の静的および動的水平載荷試験を実施し,試験システムの妥当性を検討した.

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