2007.08.01

新しい載荷試験の動向(基礎工1996)

小椋仁志(ジオトップ)・カルキーマダン(ジオトップ)・境 友昭(ジオトップ)

■掲載誌:基礎工8月号, pp.41-47
■発行所:総合土木研究所
■発 行:1996/8

 基礎の設計を行う場合,基礎構造物(杭,フーチング等)や地盤が,支持力や変形に対して有している性能を調べる必要がある。これにはさまざまな方法があるが,最も直接的で確実な方法が載荷試験である。
載荷試験は,基礎構造物に完成後実際に受けるのと同じ荷重を与え,これが地盤との関係でどのような挙動をするかを調べるものである。筆者(小椋)もこれまで数多く行ってきたが,試験中には文献1)のように,それまで得られたデータから次のステップでの状況を予測し,地盤中に起こっている現象を想像していると,まるで地盤と対話しているような気分になる。
載荷試験には,直接基礎を対象にした平板載荷試験振動試験や杭基礎を対象にした鉛直載荷試験,引抜き試験,水平載荷試験などがある。本論では,建築基礎の設計との関連を念頭におきながら,杭の鉛直載荷試験に的を絞って述べることとする。なお,加倉井ら2)や青木3)も,本論と同じテーマで載荷試験の考察を行っているので参照されたい。