2007.08.01

OAP(大阪アメニティパーク)計画における杭の支持力実験(その5:鉛直載荷試験の杭および周辺地盤の沈下解析)(AIJ1992)

椿原康則(東京工業大学)・岸田英明(東京工業大学)・鈴木俊雄(三菱地所)・川村 浩(三菱地所)・小椋仁志(ジオトップ)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸), pp.1265-1266
■発行所:日本建築学会
■発行:1992/8

 解析法として用いた荷重伝達法の計算では、杭(弾性変形を考慮)を鉛直方向に分割し、各杭要素を支持する周面または先端の土を非線形のバネに置き換える。ここで、周面の摩擦バネは、摩擦応力と周辺土層の単純せん断変形量および周面での滑り量との関係として求め、先端バネには、同名論文(その3)で述べた簡易載荷試験Aで得られたPp〜Sp関係(双曲線で近似)を用いた。計算の便宜上、図1の様に地盤を層区分し、各層で杭周面の摩擦強度および土の定数を同一とした。杭周面での滑り面の発生を考慮している。なお、摩擦バネの算定法の詳細については、文献1)を参照されたい。塵一摩擦強度までは杭周面で滑らず、それ以降は摩擦応カー定で周辺土層の変形は止まったまま滑りのみ進行する。摩擦強度幽各杭要素ごとに、単純せん断型試験機を使用した室内試験により求める2}。土〜土間で滑る場合は土のせん断試験、杭〜土間で滑る場合は摩擦試験で求める。今回は不撹乱試料が得られた粘性土試料のみに対して試験を行った。土試料に加える垂直応力は、σn=Ko・σv'とし、Ko=0.5、0.5√OCRの2通りで行った。摩擦試験で使用する杭材(モルタルで代用)の表面は、場所打ち杭であることを考慮してかなり粗く(50μmRmax,LO.2mm)した。載荷速度は、現場杭の平均載荷速度(200tf/60min)を杭周面積で除した値に近い値(0.1kgf/cm2/hour〉とした。砂質土層Dは実測値(同名論文(その2)の図3参照)を用い、F層はD層と等しいと仮定した。表1に、各地盤での値を示す。

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