2007.10.22

長尺摩擦杭の支持機構から見た設計上の留意点(土と基礎1992)

平山英喜(ジオトップ)

■掲載誌:土と基礎,40-2(409), pp.35-40
■発行所:土質工学会
■発行:1992/2

長尺の杭の施工が可能になるにつれ,杭先端を良質な支持層に根入れした杭,いわゆる支持杭が,必ずしも適切でないと考えられる場合でも多用されるようになってきた。これには,支持杭の方が,設計計算が簡単に済むことに加え,関係者の同意を得やすいことも影響していると考えられる。しかし,長尺杭の施工が可能になったということは,摩擦杭も含めた種々の可能性の中から,より良い杭を選択できるようになったということである。状況に応じた合理的・経済的な基礎を,経験と理論に支えられた知識により設計することが,技術者の本来の役割である。しかしながら,摩擦杭に関しては,実測のデータベースも少なく,土質力学的にも不明なことも多い。本報文では,長尺摩擦杭の設計に関連して,(1)全応力法と有効応力法から見た周面摩擦抵抗と非排水せん断強度の相関関係,(2)支持杭と比較した摩擦杭のネガティブ・フリクション,(3)打込み杭における初期残留応力の影響,1,0(4)テーパーによる周面摩擦抵抗の増加,について土質力学的な観点からメカニズムを考察するとともに,設計上の留意点について述べる。

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