2011.05.24

「杭基礎の設計と施工」に関する土質工学のポイント(JGS2011)

小椋仁志(ジャパンパイル)・本間裕介(ジャパンパイル)・吉川那穂(ジャパンパイル)・富永晃司(広島大学)

■掲載誌:地盤工学会誌, 59-4(639), pp.12-15
■発行所:地盤工学会
■発行:2011/05


 土質工学を学んだだけでは、杭の設計・施工はできない。最近は地盤工学とも呼ばれる土質工学は、真理の追究を基本とする学問の一つであり、自然材料である非常に複雑な物性を持つ「土」を対象とした土質力学の上に成り立つ。すなわち、地盤中に構築される基礎構造物の挙動を土質力学により説明づける学問といえる。
一方、杭基礎に限らず設計や施工は期限の定まった実務行為であり、学問上の真理は未解明であっても、それを分かった上で前に進めなければならない。したがって、設計や施工には多くの経験を積むことが重要であり、それに勘と度胸を加えた「KKD」が必須事項と言われる。
 しかし、杭基礎の設計や施工は、土質工学の上に成り立っている。このため、より良い設計や施工を行うには、しっかりした土質工学の知識を持つことが必要不可欠である。そこで本報では、土質工学の視点から見た杭基礎の設計・施工の概要や注意すべき点などを解説し、杭基礎の設計・施工を行う上で学ぶべき土質工学のポイントを紹介する。また、基礎設計に関する新しい資格である建築基礎設計士についても紹介する。

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