2007.08.01

液状化地盤ー杭基礎構造物系の過渡共振現象に関する実験的研究 その1 せん断土槽を用いた振動台実験(AIJ2004)

三好将史(関西大学)・八尾眞太郎(関西大学)・桝井健(関西大学)・藤田良太(関西大学)・小林恒一(ジオトップ)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集 ,構造BーI , p423-424
■発行所:日本建築学会
■発行:2004/8

 液状化する可能性のある地盤(液状化地盤)に杭基礎構造物を建設する場合、液状化時の杭基礎構造物の挙動の把握が耐震設計において重要である。地盤が液状化すると、地盤剛性および杭に作用する地盤反力が低下することにより、地盤-杭基礎構造物系の固有振動数が小さくなる。既往の研究によれば、液状化過程において地盤-杭基礎構造物系の固有振動数と入力波の卓越振動数が一致すると、過渡的に共振する現象(過渡共振現象)が発生し過大な応答になる場合があることが報告されている。一方、現行の設計体系4)では液状化地盤における杭体応力の算定は液状化状態を対象としたものであり、完全に液状化するまでの過程(液状化過程)における取り扱いは適切に提案されていない。
 本研究は液状化過程における杭基礎構造物の過渡共振現象を実験により把握することを目的とし、せん断土槽を用いた杭基礎構造物模型の振動台実験を行う。基本的な性状を把握するため、漸増振幅の正弦波による加振での応答を定量的に捉える。本報その1では、液状化の進行に伴い地盤-杭基礎構造物系の固有振動数が低下し、過渡的な共振現象を起す場合があることを確認する。

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