2013.07.04

根固め部の強度と直径が節杭の支持力特性に与える影響−埋込み杭の拡大根固め部に関する模型実験 その3−(AIJ構造系論文集2013)

石川一真(ジャパンパイル)・伊藤淳志(関西大学)・小椋仁志(ジャパンパイル)

■掲載誌:日本建築学会構造系論文集 Vol.78, No.689, pp.1253-1261
■発行所:日本建築学会
■発行:2013/7

 筆者らは、既製コンクリート杭の拡大根固め工法において、4つの要素―(1)杭本体の形状、(2)根固め部の強度、(3)根固め部の下方長さ(杭本体先端から根固め部先端までの距離)、(4)根固め部の直径―が杭の支持力特性に与える影響を調べることを目的とする模型実験を行った。
 前報では、杭本体を節杭およびストレート杭とした場合に、根固め部の強度と下方長さがそれぞれの杭の支持力特性に与える影響について検討した。その結果、1)根固め部が破壊する以前であれば、杭本体の形状および根固め強度は荷重-沈下量曲線に影響をおよぼさないこと、2)節杭の場合は、根固め部が破壊しても支持力が大きく減少することはないこと、3)ストレート杭の場合は、根固め部の下方長さが支持力特性上重要であること、などがわかった。
 一方、拡大根固め工法には、杭本体の大きさは変えずに根固め部の大きさを変えることで必要な支持力を得ることができる工法もある。木谷らは根固め部の下方長さと共に直径もパラメータとして模型実験を行っているが、根固め部の強度の影響については検討していない。そこで本論文では、杭本体を節杭とした場合に、根固め部の強度と直径が支持力特性に与える影響について検討する。

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