2007.11.15

摩擦群杭を用いた建物の沈下量の計算値と実測値の比較(JGS2001)

板東真平(ジオトップ)・小椋仁志(ジオトップ)・二見智子(ジオトップ)

■掲載誌:第37回地盤シンポジウム,p205-210
■発行所:地盤工学会
■発行:2001/11

建築基準法の改正など性能設計の時代を迎えて、建築物の設計においても沈下や変形の検討はますます重要になっている。沈下量の計算には、これまで日本建築学会r建築基礎構造設計指針(1988)」1)(以下、旧指針」と呼ぶ)に記載された方法によるのが一般的であった。筆者らは、この計算方法の検証を試みるため、旧指針による沈下量の計算値と実測値とを比較した。その結果、総沈下量で考えると計算値は実測値の約3倍の沈下量を与えることが分かった2)。この検証で使った実測値は、摩擦群杭を用いた建物に対して行われた長期間の沈下計測結果である。これまで行われた20件以上の節杭による建物の実測データを再整理したもので、前述の検証にはこのうちの5件を用いている。最近、旧指針を改定した建築基礎構造設計指針(2001)」3)(以下、指針」と呼ぶ)が発表された。この指針では粘性土地盤でも即時沈下量を考慮するなど、沈下量の計算方法が旧指針と少し変更されている。そこで、筆者らは、この新しい指針についても、その計算方法を検証することとした。また、比較する実測値も、文献2)よりもデータ数を増やして9件とした。本報告は、その結果に関するものである。

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