2010.09.28

既往の水平載荷試験結果に基づく単杭の水平地盤反力係数(その1:文献調査と地盤反力-変位量関係のモデル化)(AIJ2010)

小林恒一((独)原子力安全基盤機構)・吉川那穂(ジャパンパイル)・鈴木康嗣(鹿島建設)・金井重夫(千代田工営)・阿部幸夫(鋼管杭・鋼矢板技術協会)・岸下崇裕(フジタ)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸),p563-564
■発行所:日本建築学会
■発行:2010/09


建築物の杭基礎の耐震設計は,日本建築学会「建築基礎構造設計指針」等を参考に行われている.設計に用いる基準水平地盤反力係数kh0 は,水平載荷試験から求めた値や指針1)などで推奨される評価式を用いることになっているが,実際の現場でkh0 を求めるための水平載荷試験はほとんど行われておらず,指針1)などの評価式を用いることが一般的である.これらの評価式は,既往の研究(例えば文献2)〜7))等に基づいて検討されたものである.既往の研究におけるkh0 は,地表面変位が10mm の時の水平地盤反力係数kh として評価する場合が多く,この時の杭頭荷重と地表面変位の関係を満たすように,深さ方向に同じkh を有する地盤と仮定したモデルを用いて逆解析により求められている.このような水平地盤反力係数kh は杭径,杭種,地盤条件等に関係なく地表面変位が10mm の時を基準としているが,実際の杭の挙動(杭頭荷重-水平変位関係など)との関係については十分検討されていない.
これらのことから筆者らは,実際の杭の挙動をさらに精度よく評価することを目的として,既往の実大水平載荷試験データについて再度見直し行い,静的に水平力が作用する杭の,耐震設計に用いる水平地盤反力係数のモデル化について検討を行った.本報では収集・整理したデータと地盤反力-変位量関係のモデル化について報告する.

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