2007.11.15

「杭頭縁切り工法」における杭頭部鋼板と砂の摩擦係数に関する基礎実験(JGS2005)

伊藤淳志(関西大学)・小林恒一(ジャパンパイル)・小椋仁志(ジャパンパイル)・野瀬貴弘(エービーシー建材研究所)

■掲載誌:第40回地盤工学研究発表会,p1667-1668
■発行所:地盤工学会
■発行:2005/7

  現行の杭基礎の設計においては、杭頭部と基礎フーチングとを剛接合あるいはそれに近い接合とすることが一般的となっている。しかし、地震時の被害事例などから、杭基礎の耐震性を向上するために、ピンやローラーにするなどの非固定型の接合工法の開発が行われるようになった。さらに推し進めれば、図1のように杭とフーチングとの間に砂や捨てコンクリートなどを介在し、杭には頭部の摩擦材によって水平力を伝達させる方法が考えられる。この場合、中小地震では滑動を許さず杭が水平力を負担し、大地震ではある程度までの水平力を杭が負担して滑動を許容すると、合理的な設計になろう。筆者らはこの方式を「杭頭縁切り方式」と読んでおり、文献においてモデル建物の解析結果について報告した。今回、この方式についての基礎実験として、杭頭部に装着する摩擦材を塗布した鋼板と砂との摩擦性状を調査する単純せん断実験を行ったので、以下に報告する。

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