2007.11.15

「杭頭縁切り工法」における杭頭部摩擦材と砂との摩擦せん断実験(JGS2006)

方田公章(関西大学)・伊藤淳志(関西大学)・小林恒一(ジャパンパイル)・小椋仁志(ジャパンパイル)・野瀬貴弘(エービーシー建材研究所)

■掲載誌:第41回地盤工学研究発表会,p1435-1436
■発行所:地盤工学会
■発行:2006/7

  建物の基礎を杭基礎として設計する場合、杭頭部の構造としては、固定とする剛結合と、回転を可能とするピン結合とがある。剛結合の場合は杭頭部に生じる曲げモーメントが大きくなり、ピン結合の場合はその設計や施工が難しくなることが考えられる。そこで、杭基礎の耐震性を向上させるための杭頭接合の一つの方法として、杭と基礎スラブとの間に砂、砂利や捨てコンクリートなどを介在し、杭頭を基礎スラブにつながない方式が考えられる。この方式によれば、介在する材料を調整することにより、比較的簡便に杭頭に作用するせん断力を制御することができよう。このような方式の工法を、筆者らは「杭頭縁切り工法」と呼んでいる。この工法を開発するための基礎実験として、中型単純せん断試験機を用いて、杭頭部に装着する摩擦材を塗布した鋼板と砂との摩擦せん断実験を行い、その結果は文献1)において報告した。今回は、施工性を考慮してFRP を下地材として選定し、さらに前報よりも摩擦係数を低減させるための種々のスリップ剤を塗布した摩擦板について、砂との摩擦せん断実験を行ったので以下に報告する。

Download