2007.06.01

許容応力度設計法の枠内で信頼性を明確にした支持力算定式―埋込み工法による節杭の載荷試験データを用いた作成例―(基礎工2001)

小椋仁志(ジオトップ)

■掲載誌:基礎工 8月号, p48-51
■発行所:総合土木研究所
■発行:2001/08

性能設計の時代を迎えたが,杭の鉛直支持力に関しては,・これから設計する杭にどの程度の支持力を設定するか,・設定した支持力(性能)を施工後の杭が満足しているか,の二つを的確に評価することが重要な課題になる。このうち,後者の性能確認には鉛直載荷試験が最も確実な方法であることは,文献1)で述べた。前者についても,設計の際に載荷試験を行って鉛直支持力を設定するのが理想である。しかし,時間や費用の制約から試験が実施されることはほとんどなく,支持力は算定式によって決められるのが大半である。このため,支持力算定式には精度がよいことと,その信頼性(安全性)が明確なことが要求される。しかし,111号告示式など現行の支持力算定式を考えると,この要求を満足しているとはいい難い。たとえば,同じ式の中に信頼性の異なる項が混在しており,その式が全体としてどの程度の安全性をもっているのかは明確ではない。漠然と「安全率も考慮しているので安全だろう」と感じているだけであって,具体的にどれくらい安全かはわからない。このため,算定式で得られた支持力の値が,何%の確率で実際の支持力を満足するのかを,技術者が自信をもって主張できる状況にはないといえよう。このような状況を改善するため,筆者は文献2)において,許容応力度設計法の枠組みの中に限界状態設計法等で用いられる信頼性理論の手法を取入れることによって,信頼性がある程度明確な支持力算定式の作成例を示した。これは,埋込み工法(MT工法,ET工法)による節杭の支持力算定式を,多数の鉛直載荷試験結果をもとに作成したものである。今回,新たな埋込み工法(GMTOP工法)で施工された節杭について,その支持力算定式を文献2)を少し改良した手法によって作成した。本報文では,この信頼性を明確にした支持力算定式について述べる。