2007.08.01

摩擦試験による砂-杭材間の摩擦特性の検討(その1 中型単純せん断試験機を用いた試験の結果)(AIJ1993)

加藤史彦(鴻池組)・山肩邦男(関西大学)・小椋仁志(ジオトップ)・伊藤淳志(関西大学)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集 (関東),2893,p1785-p1786
■発行所:日本建築学会
■発行:1993/09

 筆者らは、杭の荷重―沈下量関係の解析法を研究する一環として、地盤と杭材との摩擦抵抗や杭周地盤の変形などのメカニズムを解明するために、一連の摩擦試験を行なってきた。これまでにも砂と杭材との摩擦については、Potyondyを始めとして多くの実験結果が報告されている。特に、岸田や上杉は、リングせん断試験機や小型単純せん断試験機を用いて、乾燥砂と鋼材間の精密な摩擦実験を系統的に行い、鋼材近傍の砂粒の移動状況などミクロな現象を含む多くの基礎的な摩擦特性を明らかにしている。
 これらの研究に対して筆者らは、実際の杭や地盤に近い状況を再現するという観点から、基本的な実験精度は確保しつつも、ミクロな現象よりもマクロな摩擦特性を調べることに主眼を置いて実験を行なった。このため、試験機はより大型のものを用い、実際の杭周の状態と対応させるために、定圧条件だけでなく定体積条件も、また乾燥砂のみならず湿潤砂をも実験の対象とした。本論分は、中型単純せん断試験機を用いて行なったこれら一連の摩擦試験の結果をまとめたものである。

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