2015.10.20

層状地盤に支持される杭先端の鉛直支持性能 その4:既往実験結果に基づく追加検討(AIJ2015)

堀井良浩(大成建設)、長尾俊昌(大成建設)、山崎雅弘(岡山理科大学)、小椋仁志(ジャパンパイル)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(関東) 構造Ⅰ, pp.455-456
■発行所:日本建築学会
■発行:2015/9

杭の中間層支持は、基礎工事の工期短縮・経済性向上等を目的として建築物の規模によらず広く実施されている。杭下方の中間層厚H の先端径D に対する比H/Dが小さくなると、杭下方の中間層の土塊が下部層に貫入するような破壊性状を示し、先端支持力が低下する。この検討法として建築基礎構造設計指針(以下、基礎指針)には直接基礎の極限支持力式であるいわゆる2 層地盤の支持力式を準用することが示されている。本式は先端荷重の拡がり(荷重分散角θ)を考慮して中間層の錘状土塊の底面支持力(下部層の極限支持力度qc)を
求めるものであるが、基礎指針にはθ とqc が規定されていない。沈下量(先端径の0.1 倍)にて決まる杭の極限支持力への適用にあたっては検証が十分でなく、設計者の合理的な判断を尊重したものと推察される。筆者等は既報において8 事例の実験データを用いて2 層地盤の支持力式の適用性(θ はtan-10.3 とtan-10.5、qc は0.6c のみ)を調べた。本報では2 事例を追加し、qc も変える場合を含めた適用性を示す。ここではN 値が大きくてやや薄い砂質土等を中間層と称し、その直下にあるN 値が小さくて粘性土を多く含む地層を下部層と称する。

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