2007.10.01

杭の鉛直支持力に及ぼす先端形状の影響(載荷実験用加圧砂地盤タンクのキャリブレーション)(AIJ1997)

深田卓宏(広島大学)・徐 挺(広島大学)・小椋仁志(ジオトップ)・山本春行(広島大学)・冨永晃司(広島大学)

■掲載誌:日本建築学会中国支部研究発表会
■発行所:日本建築学会
■発行:1997/03

 近年、施工時の騒音・振動問題などにより、排土杭(打ち込み杭)から非排土杭(埋め込み杭及び場所打ちコンクリート杭)への移行が顕著に見受けられる。また現在では、構造物の重量化に伴い、杭に要求される支持力が大きくなってきている。このような背景から、杭径が軸方向に変化しない杭(以降、ストレート杭と呼称)に対して、先端部を拡径した拡底場所打ちコンクリート杭が多く採用されるようになってきた。しかしながら、拡底杭の支持機構はストレート杭に比べて複雑であり、その詳細について検討した研究は数少ない。その数少ない研究のうち、山崎らの論文1)・2)は、拡底場所打ちコンクリート杭先端部の構造耐力を扱った特筆でき,る研究の一つである。この研究では有限要素法(FEめを用いた数値解析を行っており、先端部がフラットに近い形状の拡底杭では、設計上の地盤支持力より小さな荷重で抗体に破壊が生じてしまうことがあるという結論が示されている。したがって、この種の杭では、設計に採用される支持力が得られない危険性があることが指摘できる。ただし、この現象はあくまでも数値解析によって得られたものであり、実際の実験による確認はなされていない。本研究の目的は、以上の現象を小型模型実験により確認し、拡底部の支持機構を解明することにある。この目的に則した実験を行うため、模型杭先端部周辺地盤の応力状態を実地盤に合わせ、地盤の力学的相似条件を満足させることとした。模型杭先端部周辺の応力状怨の再現には、加圧砂地盤タンクを用いている。本報では主に、実験に先立って行われた、加圧砂地盤タンクのキャリブレーション結果について報告する。

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