2007.04.20

鋼管とPHCの継杭の水平載荷試験(AIJ2004)

本間裕介(ジオトップ)・板東真平(ジオトップ)・勘愛軍(広島大学)・徐挺(広島大学)・冨永晃司(広島大学)

■掲載紙:日本建築学会中国支部研究報告集 第27巻, pp.137-140
■発行所:日本建築学会
■発行:2004/3

杭基礎の地震時水平抵抗力に関する設計では、外力として建物の慣性力が支配的であると考え、通常、上部構造物の慣性力を杭頭に作用させて設計する。この場合、杭頭の回転を拘束(固定)して行うことが多く、最大曲げモーメント、最大せん断力は杭頭部で発生する。そのため、杭頭部に曲げ耐力のある杭を使用し、それより下方の部分には曲げた威力をあまり重視しない杭を用いる方が経済的な設計となる。例えば、鋼管杭とPHC杭の継杭を用いた設計なのである。
この場合、次低地の上下での曲げ剛性の違いが杭体に発生する曲げモーメントに影響を及ぼす懸念がある。そこで、杭頭自由の条件ではあるが、ソイルセメント埋込み杭工法で地盤中に施工された鋼管杭とPHC節杭との継杭の水平載荷試験を行った。その際、継手位置を地中部最大曲げモーメントが発生する付近としたため、もっとも厳しい条件化での試験となっている。また、平行して同様な工法で同一地盤にPHC節杭およびSC杭も施工し、水平載荷試験を行っている。
本報告ではこれらの試験のうち鋼管杭とPHC節杭の継杭について、試験により得られた曲げモーメント分布から剛性の違いによる曲げモーメントへの影響を検討したので報告する。

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