2007.11.15

単杭の沈下解析における荷重伝達法と簡易化境界要素法の比較(JSF1990)

平山英喜(大阪土質試験所)・山下啓明(武智工務所)

■掲載誌:第25回土質工学研究発表会(岡山),E-4 489,p1337-1340
■発行所:土質工学会
■発行:1990/6

杭の沈下解析法として種々の方法が提案されているが、それらは計算の簡潔性の順序により、例えば次のように分類しうる:(1)近似解析解を用いる方法D、(2)荷重伝達法(10ad-transfermethod)[ウィンクラーばね法、サt-z法、伝達関数を用いる境界要素法等2》とも呼ばれ、一次元FEM解析法3)とも見なせる]、(3)ミンドリン解を利用する弾性理論法[簡易化境界要素法2}(simpli-fiedboundaryelementmethod)、複合有限要素法4)(compositefiniteelementmethod)等とも呼ばれる]、(4)境界要素法(BEM)[1970年前半までは積分方程式法(integralequationmethod)等と呼ばれた5⊃]、(5)有限要素法(FEM)。(5)のFEMは、数値解析法として最も汎用性があるが、最も計算時間が長くなり、群杭の場合は軸対称条件でなくなるため、現状ではその利用は容易ではない。(4)の方法は、上述の(5)の短所を改良しうるが、まだ弾性解析が主であり、計算のもっと容易な(3)の方法と比較して、その特長を現状ではあまり発揮していないようである。一方、(1)の方法はコンビニ一夕ーなしでも計算可能であるが、地盤条件を極めて簡潔化しないと解が得られない。そこで、土の非線形性を考慮してもパソコンで簡単に計算できる(2)(3)の方法が、実際への適用を考慮しっっ広く研究されている。この両者の特徴とするところは、理論解等で近似的に計算しうる点はそれを利用した上で、数値解析を行う複合性にある4)。したがって、その解析精度は、数値解析に持ち込むまでの仮定と、その仮定に応じたインプット定数の決定法に大きく依存する。本報告は、以上の観点から、単杭の沈下解析における(2)と(3)の方法による線形および非線形解析を同一の地盤定数を用いた解析例によって比較し、各々の方法のインプット定数の持つ物理的意味を考察する。

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