2007.09.01

水平力を受ける鉄鋼スラグ浅層改良杭に関する一解析法 −現場実験結果との比較−(AIJ2007)

本間裕介(ジャパンパイル)・冨永晃司(広島大学)

■掲載誌:2007建築学会大会,20309
■発行所:日本建築学会
■発行:2007/7

 筆者らは、鉄鋼スラグの新たな用途開発の一環として鉄鋼スラグで杭頭周辺地盤を改良し、杭基礎の水平抵抗増大を図る工法(以降、スラグ浅層改良杭と呼称)の開発を手掛けている。今までに実施した水平加力実験結果から、杭の水平抵抗増大効果があること、およびスラグのあること等を確認した。また、スラグ浅層改良杭は改良部と杭とが一体化した挙動を示すのではなく、杭体が改良部に対して相対的に変位し、かつ改良部は周辺地盤に対して相対的に変位する挙動を示す知見を得ている。
 以上の実験結果を踏まえ、さらにスラグ浅層改良杭に関する水平抵抗の評価法を確立するため、杭-スラグ-地盤系の挙動性状を考慮した解析モデルの構築を行ってきた。本報告は、この解析法を提示するとともに、大型土槽を用いたスラグ浅層改良杭の現場水平加力実験結果についてシュミレーション解析を行い、構築したモデルの適用性についても検討を行った内容を報告する。なお、本報告では転炉スラグを対象に行ったシュミレーション解析結果についてのみ報告していることをお断りしておく。また、現場水平加力実験については文献3)を参照されたい。

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