2018.08.27

拡径比の異なる杭の引抜き特性 その1:遠心模型実験の概要(JGS2018)

飛田哲男(関西大学)、大橋達也(安藤ハザマ)、橋立健司(ジャパンパイル)、藤江雄大(ジャパンパイル)

■掲載誌:第53回地盤工学研究発表会(高松) pp.1331-1332
■発行所:地盤工学会
■発行:2018/7

 近年高層化が著しい建築物については,地震や風に対する振動により基礎に浮上りが生じることがある.これに対する反力として,杭の引抜き抵抗を利用することが考えられる.これまでの研究により,直杭と比較して杭の底部を拡げた形式の拡底杭が大きな引抜き抵抗力を有することが確認されている.しかし,大きな地盤内応力下での拡底杭の引抜き抵抗機構には不明確な点が多く,これまでにも実験的,解析的研究がなされてきた.
 本研究の目的は,拡底杭の引抜き時の極限負担荷重度(押し込み時の極限支持力度に相当する)について検討することである.そのため,先端の拡径部における荷重伝搬機構を考慮して,拡径比の影響を定量的に評価する必要がある.そこで,縮小模型により実大規模の応力状態を再現できる遠心載荷試験により影響要因である拡径比(=拡底部下端の直径/軸部径)を変え,また地盤の相対密度をDr=60%または90%とした場合の鉛直引抜き試験を行い,支持力機構の把握と極限負担荷重度の推定式の導出並びに数値解析法の検証を試みる.これまでに,著者らは,直杭を含め3 種の拡底杭に対する引抜き実験を行い報告しているが,本報告(その1)では,既報の3 種に対する再実験に加え,それらを補間する拡径比を持つ3 種について行った実験の概要を報告する.

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